離婚にとりかかろう

離婚調停の流れと、有利に進めるために必要なことをわかりやすく解説

離婚調停の流れと、有利に進めるために必要なこと

りこん先生
りこん先生
離婚について弁護士を頼んだ場合は、弁護士の指示に従ってください。弁護士に頼んでいない人は、これを読んで有利に離婚できるようにがんばりましょう。

1.調停離婚ってなに?

調停離婚というのは、家庭裁判所で、調停委員という男女2人の人に間に入ってもらって、夫婦で話し合いを行う離婚の方法です。

話し合いは、離婚するかしないかだけではなく、親権、慰謝料、養育費、財産分与などの離婚の条件についても話し合いをします。

調停では、夫と妻が1人ずつ、調停室という家庭裁判所の中にある部屋に呼ばれて、夫と妻がそれぞれ、調停委員に自分の意見を言います

調停委員は、夫と妻のそれぞれの意見を相手に伝えるだけでなくて、アドバイスをくれたり、解決案を提案してくれたりします。

調停での話し合いの結果、夫婦で離婚をすることに納得すれば、離婚ができます

そして、離婚するかしないか、親権、慰謝料、養育費、財産分与などの離婚の条件について意見がまとまったら、調停離婚が成立します。

意見がまとまらない場合は、離婚したければ裁判をすることになります。

協議離婚・調停離婚・裁判離婚とは何かを知りたい方は開く

【離婚の種類】

●協議離婚(きょうぎ・りこん)
夫婦で話し合って「離婚をします。」と決めて、離婚届を出す離婚の方法。

●調停離婚(ちょうてい・りこん)
家庭裁判所で、調停委員という男女2人の人に間に入ってもらって、夫婦で話し合いを行う離婚の方法。夫婦で「離婚します。」と決めないと調停離婚はできない。

●裁判離婚(さいばん・りこん)
…夫婦の話合いがまとまらないので、協議離婚も調停離婚もできない場合におこなう裁判で離婚。裁判官が、離婚するかしないか決定する。

 

2.あなたの調停離婚に弁護士は必要?

弁護士に依頼しなくても、離婚調停は自分でやることもできます

家庭裁判所へ行って、調停のやり方、必要な書類の書き方を聞けば教えてくれます。

弁護士にあらかじめ、アドバイスをもらえば、有利に調停ができますし、弁護士は調停室に一緒についてきてもらえるので安心です。

りこん先生
りこん先生
弁護士に頼むか決めていない人は、あなたの離婚に弁護士は必要?弁護士を頼むか考えてみましょうを読んでくださいね。

お金がなくても弁護士を頼む方法はあるので、見てください。

3.離婚調停で話し合う内容

離婚するのか、しないのか

〇子どもについて
親権者(未成年の子がいる場合)
面会交流
養育費

〇金銭の請求について
慰謝料
財産分与
年金分割
など

りこん先生
りこん先生
離婚すること」と「親権者を誰にするか」については、夫婦で意見が合わなければ調停離婚をすることはできません。

それ以外のことは、調停離婚をした後で、決めることもできますが、できるだけ調停で決めた方が良いです

4.どうしたら離婚調停を有利にすすめられるの?

4-1.事前準備をきちんと行うこと

りこん先生
りこん先生
離婚ノートを作って、必要な事柄をメモしておくとよいと思います。

りこん先生
りこん先生
調停は、不倫や暴力などの証拠がなくても「不倫が原因で離婚します」「暴力の慰謝料を支払います。」ということを夫婦で認めれば、成立します。

ただ、不倫や暴力などの証拠をきちんと準備しておけば、相手も認めやすいですし、調停委員も相手を説得してくれやすいので、あなたに有利に離婚をすすめることができます。

4-2.調停委員を味方につけること

調停委員は、男女1名ずつの2人組です。

よいアドバイスをしてくれるすばらしい調停委員もいますが、「妻はこうあるべきだ」「夫はこうあるべきだ」という偏見で、自分の意見を押し付けてくるようなひどい調停委員もいます。

ひどい調停委員に当たった場合も、なるべく調停委員を自分の味方につけるようにがんばってください。

調停の時間はきちんの守ること、感情的にならずに冷静に自分の意見を伝えること、服装はきちんとした格好をすること、調停委員に対して礼儀正しくていねいな対応をすることなどにきをつけてください。

うまく、調停委員を味方につければ、相手に対してあなたの意見に従うように説得してくれることもあります。

5.離婚調停の流れ

①夫か妻のどちらかが家庭裁判所に行って、「調停をしたい」と申し込む

②家庭裁判所から夫婦それぞれに「〇月〇日に調停をします」という呼び出し状が届く

③家庭裁判所の調停室に行き調停(話し合い)が月に1回くらいのペースで何回か繰り返される

④離婚することや離婚の条件について夫婦の意見がまとまれば調停離婚が成立

⑤夫婦で決めた内容を裁判官が確認し、調停調書(決めた内容について書いた文書)を作成する

⑥調停離婚成立から10日以内に、夫婦のどちらかが離婚届を提出

たとえば、「100万円を払う」などと口約束だけをしたような場合は、支払われないときは、相手の財産を差し押さえるには、裁判を起こす必要があります

しかし、調停が成立すれば、支払がされない場合、裁判を起こさなくても相手の財産を差し押さえることができるのです。

6.調停の申し込み

6-1.どこへ行って申し込むの?

調停を行うには、家庭裁判所に「夫婦関係調整調停」という調停の申し込みをします。

申し込みを行う家庭裁判所は、相手の住所がある場所の家庭裁判所です。

別居していて、相手方が遠くに住んでいる場合でも、相手の住所がある場所の家庭裁判所で申し込みをするのが原則です。

ただし、夫婦で合意すれば、相手の住所以外の場所の家庭裁判所に調停で申し込みを行うことができます

どこに家庭裁判所があるかは、こちらを参考にしてくださいね

6-2.家庭裁判所に調停の申し込みをするのに必要な書類

りこん先生
りこん先生
どのような書類が必要か、どのように書くのかがよくわからない場合は、家庭裁判所で聞いてくださいね。

□申立人の印鑑・戸籍謄本(発行後3カ月以内のもの)

□夫婦関係調整調停申立書(3つ作ります)
相手に請求する離婚の条件(親権者、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割についてあなたが請求する内容)や、離婚の原因などを記載します。
→夫婦関係調整調停申立書のダウンロードはこちら
→夫婦関係調整調停申立書の記入例はこちら(家庭裁判所でもらうこともできます)

りこん先生
りこん先生
養育費、財産分与、慰謝料の請求額(希望額)を書く場所には、やや高めの金額を書いてくださいね。

調停委員がこちらの希望額と相手の希望額を聞いて調整するから、あなたが書いた希望額より低くなることが多いからです。

□年金分割を求める場合は年金分割のための情報通知書(発行後1年以内のもの)
→年金分割のための情報通知書と記入例のダウンロードについてはこちら

事情説明書(+陳述書)
夫婦それぞれの収入、財産、夫婦が不仲になった事情など、離婚を希望する事情を簡単に書きします。
事情説明書に書ききれなかったことは「陳述書」という題名を書いて、別の紙に書いて提出することもできます。
→事情説明書のダウンロードはこちら(家庭裁判所でもらうこともできます)

りこん先生
りこん先生
離婚に関する事実はすべて具体的に書いてくださいね。例えば暴力をふるわれていたのに書かないと、調停委員に暴力はなかったと思われてしまいます。

りこん先生
りこん先生
事情説明書や陳述書は相手に見られてしまう可能性もあります。

相手の悪口などを書くと、相手が怒って調停がうまくいかなくなってしまうので、何をされたかという事実を書いてってください。

子どもについての事情説明書(未成年の子どもがいる場合のみ)
未成年の子どもがいる場合、誰が世話をしている)、子どもに関する要望などを記載します。
→子どもについての事情説明書のダウンロードはこちら(家庭裁判所でもらうこともできます)

進行に関する照会回答書
調停の希望曜日などを記載します。
→進行に関する照会回答書のダウンロードはこちら(家庭裁判所でもらうこともできます)

りこん先生
りこん先生
相手からの暴力などで相手と顔を合わせたくないときは、「相手と顔を合わせなくて済むように、待合室の場所や、調停室に入る時刻・出る時刻ずらしてください。」と照会回答書に書いてください

 

連絡先の届出書
家庭裁判所からの調停に関する書類を送る場合にどこに送ってほしいか、家庭裁判所から電話連絡をする場合の電話番号などを記載します。
→連絡先の届出書の説明はこちら
→連絡先の届出書のダウンロードはこちら(家庭裁判所でもらうこともできます)
→連絡先の届出書の記入例はこちら

非開示の希望に関する申出書
家庭裁判所に提出する書類に、相手に知られたくない情報(自分の住所・電話番号)などがある場合には、その書類1枚ずつに「非開示の希望に関する申出書」をホチキスで付けて提出します。

たとえば、「連絡先の届出書」に書いてあること(自分の住所・電話番号)を相手に知られたくない場合は、「連絡先の届出書」に「非開示の希望に関する申出書」をホチキスで付けて提出します。

→非開示の希望に関する申出書の説明はこちら
→非開示の希望に関する申出書のダウンロードはこちら(家庭裁判所でもらうこともできます)
→非開示の希望に関する申出書の記入例はこちら

6-4.書類の提出の仕方

これらの書類を相手の住所がある場所の家庭裁判所に提出します。

りこん先生
りこん先生
家庭裁判所に書類を郵送して提出することもできますが、家庭裁判所に直接持って行って、足りない書類がないかを確認してもらった方が良いです。 

りこん先生
りこん先生
提出する書類は、何を書いたかわからなくなってしまわないように、コピーしておいてくださいね。 

7.調停の日の準備

7-1.裁判所からの呼び出し

家庭裁判所に調停の申し込みをすると、夫婦の両方に、家庭裁判所から第1回の調停の日の連絡があります。

指定された日に行けない場合は、家庭裁判所に連絡をして調停日の変更をお願いしてください。

7-2.調停の日の持ち物

□裁判所からの呼び出し状

□裁判所に提出した書類のコピー

□身分証明書(免許証など)

□認印

□筆記用具・調停の内容をメモするためのノート

□相手に求める内容などを書いたメモ
→【5.調停の準備をしましょう(離婚ノート)】を参考にしてください。

□財産分与や慰謝料を請求する場合は振込先の口座番号のメモ
支払いを振り込みで受ける場合は、振込先の口座番号が必要です。
通帳を持参してもOKです。

□年金分割請求をするときは「年金分割のための情報通知書」(年金事務所に請求する)

□相手に離婚の責任があり慰謝料請求するときは、責任があるとわかるような証拠(不倫の証拠やDVの診断書など)

□飲み物、時間をつぶす道具
相手が調停委員と話している間は待合室で待たなければなりまえせん。長時間待つこともあります。

8.調停当日の1日の流れ

①調停の日に、家庭裁判所へ行きます。
②調停が始まる時間まで控室で時間までまちます。
③調停委員から調停室へ来るように呼び出されます。

調停の申し込みをした側から1人ずつ、調停室に呼び出されて、調停委員との話し合いを行います。第1回の調停期日では、調停についての説明をはじめに行います。その後、申し立てた経緯や理由についての質問があります。
30分くらい、話し終えたら、待合室に戻ります。

④調停室での話し合いの繰り返し

その後、相手方が呼び出され、相手方が調停室で話し合いを行います。これを2回くらい、繰り返します。1日の調停は2時間程度です。話し合うことが多い場合には、もっと時間がかかることもあります。

⑤その日の調停の終わり

最後に、次の期日が決められます。この時、調停委員から、次の期日に資料などを準備して提出するよう言われる場合もあります。

⑥第2回目以降の調停期日

1回目と同じ流れで進みます。

9.調停で話し合いがまとまったら何をするの?

①調停内容を口頭で確認

調停室に裁判官、調停委員、書記官、夫婦双方が立ち会います。そして、裁判官が口頭で合意した内容が読み上げ、間違いがないかを確認します。

りこん先生
りこん先生
調停が成立し、その内容が調書に書かれると強力な効力が生じます。

なので、調停で決めたことが正しく述べられているか、抜けていないかをきちんとチェックして確認するようにします。

わからないことがあったら、そのままにせずに質問するようにしてください。

②調停調書の作成

確認ができたら裁判所が調停調書(調停で何が決まったかが書かれている書類)を作成します。

③調停調書の送達(=郵送)

調停調書が夫婦の両方に送達(=郵送)されます。

④離婚届の作成・提出

調停離婚の場合も役所に離婚届を提出する必要があります。
離婚届の提出は、調停が成立してから10日以内にする必要があります。

原則として、調停を申し立てた人が離婚届を提出します。例えば、夫が調停を申し立てた場合は、夫が離婚届を提出します。

ただし、結婚の際に妻が夫の姓になっていた場合は、夫が調停を申し立てて調停が成立したとしても、「相手方からの申し出により調停離婚する」と調停調書に書いてもらい、妻が離婚届を提出するようにします。この場合は、離婚届を提出する際に、妻は新しい戸籍を作るか、元の戸籍に戻るかなど、役所で決めなければならないことがあるので、妻が離婚届を提出したほうが良いからです。

⑤年金分割がある場合は、年金事務所での手続きが必要

調停の期間

ほとんどの離婚調停は半年くらいで終了します。

あっさり夫婦が合意すれば1ヶ月くらいで終わりますが、合意がなかなかまとまらなければ1年以上かかることもあります。

調停と次の調停の期日は、だいたい1ヶ月~1ヶ月半に1度というペースで行われます。調停での話し合いがまとまらなければ、調停の回数も増えます。

10.離婚調停で話し合いがまとまらなかった場合はどうなるの?

話し合いがまとまらないため、調停は成立しないこともあります。これは「調停不成立」と呼ばれ、離婚ができないまま終了します。

それでも、離婚をしたい場合は離婚裁判を行うことになります。

りこん先生
りこん先生
調停で離婚するためには、「離婚すること」と「親権者を誰にするか(未成年の子どもがいる場合)」だけは必ず決めなければなりません。

これさえ決めていれば、先に調停で離婚をして、後で離婚の条件(慰謝料、養育費、財産分与など)を決めるということもできます。

しかし、先に離婚をしてしまうと、相手に逃げられてしまうことも多いので、調停で離婚の条件(慰謝料、養育費、財産分与など)も一緒に決めた方が良いです。

*この記事は投稿時の法律や資料に基づいて作成されています。

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