離婚の方法と手続き PR

new調停離婚の手続きを1つ1つわかりやすく解説

1.離婚調停の流れ

1-1.調停離婚が成立する場合の流れ

①夫婦の一方が家庭裁判所に調停の申し込みをする

②家庭裁判所から夫婦それぞれに、いつ家庭裁判所にくるようにという呼び出し状が届く

③夫婦それぞれが家庭裁判所に行き調停が何回か繰り返される

④離婚することや離婚の条件について、夫婦で合意すれば調停離婚が成立

⑤合意した内容を裁判官が確認し、調停調書を作成する

⑥調停離婚成立から10日以内に、夫婦の一方が離婚届を提出

たとえば、「100万円を払う」などと口約束だけをしたような場合は、支払われないときは、相手の財産を差し押さえるには、裁判を起こす必要があります。

しかし、調停が成立すれば、支払がされない場合、裁判を起こさなくても相手の財産を差し押さえることができるのです。

1-2.調停離婚が成立しない場合の流れ

①夫婦の一方が家庭裁判所に調停の申し込みをする

②家庭裁判所から夫婦それぞれに、いつ家庭裁判所にくるようにという呼び出し状が届く

③夫婦それぞれが家庭裁判所に行き調停が何回か繰り返される

④離婚することや離婚の条件について、合意が成立しない

⑤離婚しない、あるいは離婚裁判を行う

1-3.離婚調停はどこの家庭裁判所で申し込みをするの?

調停を行うには、家庭裁判所に「夫婦関係調整調停」という調停の申し込みをします。

申し込みを行う場所は、相手の住所がある場所の家庭裁判所です。すでに別居していて、相手方が遠方に住んでいる場合でも、相手の住所がある場所の家庭裁判所に申し立てるのが原則です。

ただし、夫婦で合意すれば、相手の住所以外の場所の家庭裁判所に調停の申し立てをすることもできます。

どこに家庭裁判所があるかは、こちらを参考にしてね

1-4.調停の申し立てに必要な書類

りこん先生
りこん先生
どのような書類が必要か、どのように書くのかがよくわからない場合は、家庭裁判所で聞いてくださいね。

申立人の印鑑・戸籍謄本(発行後3カ月以内のもの)

夫婦関係調整調停申立書(3つ作ります)
相手に請求する離婚の条件(親権者、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割についてあなたが請求する内容)や、離婚の原因などを記載します。
→夫婦関係調整調停申立書のダウンロードはこちら
→夫婦関係調整調停申立書の記入例はこちら(家庭裁判所でもらうこともできます)

りこん先生
りこん先生
養育費、財産分与、慰謝料の請求額(希望額)を書く場所には、やや高めの金額を書いてくださいね。

調停委員がこちらの希望額と相手の希望額を聞いて調整するから、あなたが書いた希望額より低くなることが多いからです。

□年金分割を求める場合は年金分割のための情報通知書(発行後1年以内のもの)
→年金分割のための情報通知書と記入例のダウンロードについてはこちら

事情説明書(+陳述書)
夫婦それぞれの収入、財産、夫婦が不仲になった事情など、離婚を希望する事情を簡単に書きします。
事情説明書に書ききれなかったことは「陳述書」という題名を書いて、別の紙に書いて提出することもできます。
→事情説明書のダウンロードはこちら(家庭裁判所でもらうこともできます)

りこん先生
りこん先生
離婚に関する事実はすべて具体的に書いてくださいね。例えば暴力をふるわれていたのに書かないと、調停委員に暴力はなかったと思われてしまいます。
りこん先生
りこん先生
事情説明書や陳述書は相手に見られてしまう可能性もあります。

相手の悪口などを書くと、相手が怒って調停がうまくいかなくなってしまうので、何をされたかという事実を書いてってください。

子どもについての事情説明書(未成年の子どもがいる場合のみ)
未成年の子どもがいる場合、誰が世話をしている)、子どもに関する要望などを記載します。
→子どもについての事情説明書のダウンロードはこちら(家庭裁判所でもらうこともできます)

進行に関する照会回答書
調停の希望曜日などを記載します。
→進行に関する照会回答書のダウンロードはこちら(家庭裁判所でもらうこともできます)

りこん先生
りこん先生
相手からの暴力などで相手と顔を合わせたくないときは、「相手と顔を合わせなくて済むように、待合室の場所や、調停室に入る時刻・出る時刻ずらしてください。」と照会回答書に書いてください。

連絡先の届出書
家庭裁判所からの調停に関する書類を送る場合にどこに送ってほしいか、家庭裁判所から電話連絡をする場合の電話番号などを記載します。
→連絡先の届出書の説明はこちら
→連絡先の届出書のダウンロードはこちら(家庭裁判所でもらうこともできます)
→連絡先の届出書の記入例はこちら

非開示の希望に関する申出書
家庭裁判所に提出する書類に、相手に知られたくない情報(自分の住所・電話番号)などがある場合には、その書類1枚ずつに「非開示の希望に関する申出書」をホチキスで付けて提出します。

たとえば、「連絡先の届出書」に書いてあること(自分の住所・電話番号)を相手に知られたくない場合は、「連絡先の届出書」に「非開示の希望に関する申出書」をホチキスで付けて提出します。

→非開示の希望に関する申出書の説明はこちら
→非開示の希望に関する申出書のダウンロードはこちら(家庭裁判所でもらうこともできます)
→非開示の希望に関する申出書の記入例はこちら

1-5.書類の提出の仕方

これらの書類を相手の住所がある場所の家庭裁判所に提出します。

りこん先生
りこん先生
家庭裁判所に書類を郵送して提出することもできますが、家庭裁判所に直接持って行って、足りない書類がないかを確認してもらった方が良いです。 
りこん先生
りこん先生
提出する書類は、何を書いたかわからなくなってしまわないように、コピーしておいてくださいね。 

1-6.調停の日の準備

裁判所からの呼び出し

家庭裁判所に調停の申し立てをすると、夫婦の両方に、家庭裁判所から第1回の調停の日の連絡があります。

指定された日に行けない場合は、家庭裁判所に連絡をして調停日の変更をお願いしてください。

調停の持ち物

□裁判所からの呼び出し状

□裁判所に提出した書類のコピー(申立書など)

□身分証明書(免許証など)

□印鑑(シャチハタなどのゴム印は不可)

□筆記用具・調停の内容をメモするためのノート

□相手に求める内容などを書いたメモ
・離婚しようと思った原因・経緯
・財産分与、慰謝料額、親権、養育費、面会交流、年金分割など、何をいくら請求するか
・不倫や暴力などの証拠
・夫婦の財産の一覧と、その証拠となるもの(通帳や不動産の登記簿のコーピーなど)

□財産分与や慰謝料を請求する場合は振込先の口座番号のメモやコピー
支払いを振り込みで受ける場合は、振込先の口座番号が必要です。通帳を持参してもよいです。

□年金分割請求をするときは「年金分割のための情報通知書」(年金事務所に請求する)

□飲み物、時間をつぶす道具
相手が調停委員と話している間は待合室で待たなければならない。長時間待つこともある。

1.調停当日の1日の流れ

調停期日に、指定の家庭裁判所へ行く

調停が始まるまで控室で時間まで待機

調停委員から調停室への呼び出し
調停を申し立てた側から1人ずつ、調停室に呼び出されて、調停委員との話し合いを行います。第1回の調停期日では、調停についての説明をはじめに行います。その後、申し立てた経緯や理由についての質問があります。
30分程、話し終えたら、待合室に戻ります。

調停室での話し合いの繰り返し
その後、相手方が呼び出され、相手方が調停室で話し合いを行います。これを2回ほど、繰り返します。1日の調停は2時間程度です。話し合うべきことが多い場合には、もっと時間がかかることもあります。

その日の調停の終わり
最後に、次の期日が決められます。この時、調停委員から、次の期日に資料などを準備して提出するよう言われる場合もあります。

第2回目以降の調停期日
1回目と同じ流れで進みます。

3.調停で話し合いがまとまったら何をするの?

調停内容を口頭で確認
調停室に裁判官、調停委員、書記官、夫婦が立ち会います。そして、裁判官が調停で決まった内容が読み上げ、間違いがないかを確認します。

りこん先生
りこん先生
調停で決まった内容が調停調書になると強力な効力が生じます。なので、間違いがないかをきちんと確認してください。

調停の調書作成
確認ができたら裁判所が調停調書を作成します。

調停調書の送達(郵送)
調停調書が夫婦の両方に送達(郵送)されます。

離婚届の作成・提出
調停離婚の場合も役所に離婚届を提出する必要があります。
離婚届の提出は、調停が成立してから10日以内にする必要があります。

原則として、調停を申し立てた人が離婚届を提出します。例えば、夫が調停を申し立てた場合は、夫が離婚届を提出します。

ただし、結婚の際に妻が夫の姓になっていた場合は、夫が調停を申し立てて調停が成立したとしても、「相手方からの申し出により調停離婚する」と調停調書に書いてもらい、妻が離婚届を提出するようにします。この場合は、離婚届を提出する際に、妻は新しい戸籍を作るか、元の戸籍に戻るかなど、役所で決めなければならないことがあるので、妻が離婚届を提出したほうが良いからです。

年金分割がある場合は、年金事務所での手続きが必要

4.調停後に支払いがされない場合は?

上記のように、離婚調停が成立すると、調停調書が作成されます。

この調停調書があれば、養育費・慰謝料・財産分与を支払わないなど、離婚調停で決められた内容を守らなかった場合には、相手の給料・預金・不動産・家財道具などの財産を差し押さえてそこから支払いを受ける「強制執行」を行うことができます。

たとえば、「100万円の慰謝料を払う」などと口約束だけをしたような場合は、相手の財産を差し押さえるには、裁判を起こす必要があります。

しかし、調停が成立し、調停調書が作成された場合は、この調停調書があれば、裁判を起こさなくても相手の財産を差し押さえることができるのです。

 

5.離婚調停で話し合いがまとまらなかった場合

話し合いがまとまらないため、調停は成立しないこともあります。これは「調停不成立」と呼ばれ、離婚ができないまま終了します。

それでも、離婚をしたい場合は離婚裁判を行うことになります。

調停成立・不成立以外でも、申し立ての取り下げで終了するケースもあります。

*この記事は投稿時の法律や資料に基づいて作成されています。

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