離婚の原因

DVが原因の離婚のポイントから暴力から逃げる方法まで【わかりやすく解説】

りこん先生
りこん先生
DVを受けていると、どんどん気力がなくなって逃げられなくなるよ。一刻も早く行動しよう。
りこちゃん
りこちゃん
でも、私から離婚するなんて言ったら、何をされるかわかりません!
りこん先生
りこん先生
警察や弁護士など、守ってくれる機関がちゃんとあるから安心して。逃げたときに生活できるシェルターもあるから、お金がなくても大丈夫だよ。それでは、詳しくみてみよう。

1.これってDV?チェックリスト

りこん先生
りこん先生
「自分にも悪いところがあるから」とか「たいしたことないから」と、自分はDVを受けていないと思い込んでいる人も多いんだよ。自分がDVを受けていないか、チェックしてみよう。
りこちゃん
りこちゃん
DVをする人は、DVの直後は反省して優しくなるけれど、しばらくたつと、DVをする人が多いんです。今はやさしくても、DVに当てはまる場合は、気を付けてください。

これらに1つでもあてはまれば、DVです。

1-1.身体的暴力

これに当てはまらなくてもけがをさせるような行為は身体的暴力です。
□殴る・平手打ちをする
□ける
□物を投げる(あなたに物があたらなくてもDVです)
□首を絞める
□刃物などの凶器をからだにつきつける
□髪をひっぱる
□腕をねじる
□引きずりまわす

1-2.精神的暴力(モラハラも含みます)

相手の心を傷つける行為は精神的暴力です。
□何を言っても無視して口をきかない
□ののしる
□「あなたや子供に危害を加える」と脅かす
□人の前でバカにしたり、命令するような口調でものを言ったりする
□大声でどなる
□大切にしているものをこわしたり、捨てたりする
□なぐるそぶりや、物をなげつけるふりをして、おどかす

1-3.性的暴力

□性的行為の強要
□避妊に協力しない
□中絶を要求する
□ポルノを無理やり見せる

1-4.経済的暴力

□生活費を渡さない・頼み込まないと生活費を渡さない
□金銭的な自由を与えない
□外で働くことを禁じる
□仕事を無理やりやめさせようとする

1-5.社会的暴力

これに当たらなくても、相手と社会との交流を妨害する行為は社会的暴力です
□人間関係や行動を監視する
□家族や友人との付き合いを制限する
□手紙や電話、メールなどを細かくチェックする

2.まず、自分の安全を確保しましょう

りこん先生
りこん先生
「たいしたことないかな」と思っても、まずは、相談窓口に相談してみよう。あなたの状況に合わせたアドバイスをもらえるよ。もし、はじめに相談した窓口でいいアドバイスをもらえなくても、あきらめずに、いろいろな窓口に相談してみよう。きっと、あなたを助けてくれる人がいるよ!

2-1.DVの相談窓口

【DV相談ナビ】
政府が全国共通の電話番号(#8008)から相談機関を案内するDV相談ナビサービスを実施しています。
発信地等の情報から最寄りの相談機関の窓口に電話が自動転送され、直接相談することができます。
電話番号 #8008

【DV相談プラス】
政府が設けている相談窓口
●電話相談 0120-279-889 (24時間受付)
●メール相談は→こちら

【配偶者暴力相談支援センター】
配偶者暴力相談支援センターは、各都道府県、市町村にある機関です。
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、以下の活動を行っています。
・相談や相談機関の紹介
・カウンセリング
・被害者及び同伴者の緊急時における安全の確保及び一時保護
・自立して生活することを促進するための情報提供その他の援助
・被害者を居住させ保護する施設の利用についての情報提供その他の援助
・保護命令制度の利用についての情報提供その他の援助
●全国の配偶者暴力相談支援センターの一覧は→こちら

2-2.被害者が一時的に逃げる場所=一時保護

一時保護ってなに?

家を出たいと思っても、加害者に知られずにいられる場所が無い場合に、被害者は婦人保護施設などの宿泊場所に、一時的に避難することができます。

子供も一緒に避難できるの?

DVを受けている人だけでなく、その子供も一緒に避難できます。

一時保護を受ける方法

まず、相談機関に相談してください。避難場所は被害者の状況に応じてさまざまであり、婦人保護施設だけでなく、市区町村のシェルター、民間のシェルターなどもあります。

2-3.加害者があなたに近寄らないようにしたい=保護命令

保護命令とは?

加害者が被害者に近づかないように、裁判所が命令をする制度です。

裁判所が出す保護命令の種類

りこん先生
りこん先生
この中から 出してもらいたい命令を選んで裁判所に請求します。

被害者への接近禁止命令
被害者の身辺のつきまといや、住所や勤務先の付近でのうろつきを6ヶ月間禁止する命令。

子供への接見禁止命令
被害者と同居する未成年の子供への身辺のつきまといや、住所や学校の付近でのうろつきを6ヶ月間禁止する命令。
加害者が子供を利用して、被害者が加害者と会わなければならい状態にすることをふせぎます。

親族への接見禁止命令
被害者の親族への身辺のつきまといや、住所や勤務先の付近でのうろつきを6ヶ月間禁止する命令。
加害者が被害者の実家に押しかけて暴れるなど、親族を利用して被害者が加害者と会わなければならない状態にすることをふせぎます。

退去命令
被害者と加害者が同居している場合に、加害者がいない間に被害者が引っ越しをできるように、2か月間、被害者と同居している家からの退去を命じます。

電話等禁止命令
相手方からの面会要求、深夜の電話やメールなどの迷惑行為にあたる連絡を6か月間禁止すします。

保護命令の手順

DVの証拠を集めて、配偶者暴力等支援センターや警察署に相談する
保護命令を裁判所に申し立てるには、申し立ての前に配偶者暴力等支援センターや警察署への事前相談が必要です。

裁判所に保護命令を申し立てる
どのような保護命令を希望するか選びます。複数の種類の保護命令を申し立てることもできます。

加害者の審尋(=面接)
加害者の審尋(=面接)を行い、加害者の意見を聞きます。被害者の出席は不要です。

保護命令の発令

どのような暴力に対して保護命令は出されるの?

保護命令が出されるのは、身体的暴力に限ります。精神的暴力・性的暴力・経済的暴力のみの場合は、保護命令は出されません。

保護命令の効果

保護命令は、加害者が被害者・子供・親族への接近することを禁止したり(接近禁止命令)、被害者と同居している家からの退去を命じたり(退去命令)、加害者からの面会要求や電話やメールを禁止したりしますが(電話等禁止命令)、命令だけでは接見禁止等を強制することはできません。

しかし、加害者がこれらの保護命令に反して、接近等を行う場合は、1年以上の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。このように、保護命令に反する行為は犯罪になりますから、警察が逮捕できます。

たとえば、裁判所から被害者への接近禁止命令が出されていない場合は、加害者が被害者に接近してもそれは犯罪になりません。しかし、接近禁止命令が出ている間に、加害者が被害者に接近した場合は、接近だけで犯罪になりますので、警察に逮捕してもらうことができます。

保護命令の申立に必要な書類

くま:保護命令を裁判所に申し立てる前に、配偶者暴力等支援センターか警察署に必ず相談しなければならないことになっています。詳しい手続きは、配偶者暴力等支援センターやもよりの警察署に聞いてね。
□申立書
□当事者間の関係を証明する資料(双方の戸籍謄本や住民票など)
□DV被害の証拠(けがの写真、診断書、陳述書など)
□収入印紙(1000円分)
□連絡用の郵便切手

2-4.被害者の居場所を加害者に知られないための制度:住民基本台帳事務における支援措置

加害者が住民票の写しを交付請求するなどして、被害者の住所をさがすことを防止する制度です。

配偶者暴力等支援センターまたは警察等に相談して行ってください。

2-5.警察に助けを求める

DVは犯罪に当たる場合があります。

加害者が殴る、ける、物を投げるなどの身体的暴力を行った場合は、傷害罪や暴行罪にあたります。あなたや子供を傷つけるなどといって脅すような場合は、脅迫罪、あなたを侮辱する場合は侮辱罪に当たります。

警察に助けを求めましょう

暴力を振るわれたときは、すぐに警察に助けを求めましょう。

また、ひんぱんに暴力を振るわれる場合は、近辺のパトロールを依頼することもできます。

2-6.お金がなくて加害者から逃げられない場合の経済的支援

市区町村役場の資金の貸付

生活福祉資金貸付制度・母子福祉資金など様々な制度があります。市区町村によって貸し付けの内容が異なるので、お住いの市区町村役場や配偶者暴力相談支援センターに問い合わせてください。

〇生活福祉資金貸付制度
生活面で経済的に困窮する人を対象に、低い金利でお金を貸す制度

〇母子福祉資金
母子家庭に対して低い金利でお金を貸す制度

生活保護

生活保護を申請する場合は、お住いの市町村役場に相談してください。

2-6.加害者から逃げている間の健康保険

りこん先生
りこん先生
加害者の不要となっている場合、保険証を使用するとそこから居場所が分かってしまう可能性があるから気を付けよう 。また、保険証を持たないで逃げてきた場合も、保険に入れるから大丈夫だよ。

加害者の不要となっている場合、被扶養者から外れて新たに国民健康保険に加入することができます。その場合、収入がなかったり、収入が少ない場合は、国民健康保険料の免除や減額ができます。

詳しくは、手続きについては配偶者暴力相談支援センターや区市町村役場に相談してください。

3.DVの証拠を集めよう

3-1.なぜ、証拠集めが必要なの?

裁判所に対して、加害者に保護命令(接見禁止命令、退去命令、電話等禁止命令)を出すように申し立てをする際には、DVの証拠がなければなりません。

また、裁判離婚をする場合にも、DVがあったという証拠が必要です。

裁判離婚でなくても、離婚の話し合いをする際や、相談窓口にDVの相談をする際にも、本当にDVがあったことを明らかにするために、DVの証拠があると、よいでしょう。

3-2.何が証拠になるの?

りこん先生
りこん先生
保護命令は、身体的暴力がある場合しか受けることができないから、保護命令のための証拠は身体的暴力の証拠だけだよ。

けがや傷の写真

けがや傷の写真を撮る場合は、誰の写真かわかるように、傷の写真だけでなく、誰の傷かわかるように顔と傷がいっしょに写っているいる写真も撮りましょう。
また、いつの写真かわかるようにその日の新聞やテレビなども写すようにするとよいです。

けがや傷で病院に行った際の診断書

診断書を作成してもらう際には、きちんとDVが原因であることを意思に伝えましょう。医師によっては診断書に「DVによる傷」と記載してもらえることもあります。
ただし、DVの現場を見ていない医師がその傷がDVによって生じたものであると判断することは難しいので、傷の原因を書いてもらえないことも多いです。

精神科・心療内科の診断書

精神的暴力の場合だけでなく、身体的暴力を行われた場合も、それが原因で精神的な病気になった場合は、DVの証拠となります。
この場合も、書いてもらえるなら「DVによって生じた精神的な病気」であるということを記載してもらいましょう。

加害者が壊した物の写真・動画

加害者が壊した家財道具、穴が開いた壁などがあれば、加害者が暴れたという証拠になるので、写真や動画で撮影しておきましょう。

DVをしている動画や音声

ビデオやボイスレコーダー、スマホの録音・録画機能を使って、相手の暴力・暴言を隠し撮りしておけば、有力な証拠になります。
ただ、隠し撮りが相手に見つかった場合、さらにDVが行われる可能性があるので、気を付けてださい。

加害者からのLINEやメール、電話の録音

相手の言動からDVがわかる場合は、LINEやメールのスクショ(送信取り消しなどが行われる場合があるので、念のためにスクショもしておきましょう)、相手からの電話の録音などをしておきましょう。

どのようなDVが行われたのか記載した日記やメモ

相手からどのようなDVが行われたのかをその都度、日記やメモに記載していた場合は、それも証拠となります。PCやスマホでの日記は、後で簡単に書き変えられるので、証拠として弱いです。できれば、その都度、手書きでメモしておきましょう。

配偶者暴力支援センターや警察に相談した時の証明書

保護命令を裁判所に申し立てるには、申し立ての前に配偶者暴力等支援センターや警察署への事前相談が必要です。

そのため、事前に相談した場合は、その証明書を保管しておいてください。

4.DVを原因とする離婚

4-1.裁判離婚の場合は、離婚原因があると認められることが必要

離婚には、大きく分けて3つの種類があります。

協議離婚
夫婦で話し合って、離婚届を提出し成立する離婚

調停離婚
家庭裁判所で、調停委員という人に夫婦の間に入ってもらって、夫婦で話し合って成立する離婚

裁判離婚
夫婦の話し合いがまとまらない場合に裁判で成立する離婚

協議離婚や、調停離婚は夫婦で話し合って、お互いが離婚をすると決めれば離婚は成立します。ですから、離婚原因がなくても、お互いが納得すれば離婚できます。

しかし、夫婦の一方が離婚したくない場合に、裁判で離婚が成立するためには、裁判所に「離婚原因(離婚事由)がある」と認めてもらわなければなりません。

4-2.DVは裁判で離婚原因になるの?

裁判で離婚が認められるには、民法に定められた離婚原因が必要です。

民法で定められた離婚原因は、①不貞行為、②悪意の遺棄、③3年以上の生死不明、④回復の見込みのない強度の精神病、⑤その他婚姻を継続しがたい重大な理由です。

⑤その他、婚姻を継続しがたい重大な事由とは、性格の不一致、浪費ぐせ、嫁姑の不仲、セックスレスなどの様々な理由で、夫婦生活がこわれている場合を指します。

DVは①~④にはあたりませんが、⑤のその他、婚姻を継続しがたい重大な事由の1つにあたります。

したがって、裁判でDVがあったことを証明できれば、離婚が認められます。

4-3.DVを理由とする離婚で気を付ける点

離婚を切り出す前に別居しましょう

暴力をふるうような夫(妻)の場合、離婚を切り出したとたんにさらに暴力を振るわれる場合が多いです。そのため、まずは、離婚よりも暴力から逃げることを優先しましょう。

緊急性がある場合は、一時保護を利用できます。また、お住いの場所によっては県営住宅や市営住宅に優先的に入居できる場合もあります。

別居についても、相談機関に相談してみましょう。

弁護士に相談しましょう

あなたと夫(妻)が直接、離婚について話し合うのは、危険なので弁護士に間に入ってもらうようにした方が良いです。

収入(夫婦の収入ではなく、あなただけの収入です)と所有財産が少ない人については、弁護士費用を立て替えてくれる民事法律扶助という制度があります。

4-4.離婚調停を行う場合

調停離婚とは、家庭裁判所で、調停委員という人に夫婦の間に入ってもらって、夫婦で話し合って成立する離婚をさします。

通常の離婚調停では、夫婦が1人ずつ交代で調停室に呼び出されて、調停委員に自分の意見を伝えます。この場合、調停室は1人ずつ入室しますが、調停室に入る前に顔をあわせてしまう可能性があります。

そこで、DVの場合は、あらかじめ調停を行う裁判所に、DVをされていることを伝えれば、顔を合わせないように配慮をしてもらうことができます。具体的には、裁判所に行く時間や帰る時間を相手とずらしてもらう、夫と妻が別々の部屋にいて、そこに調停委員が入るようにして、廊下などでも顔を合わせないようにするといったことをしてもらえます。

4-5.離婚裁判

調停でも離婚が成立しない場合、離婚裁判を行うことになります。

離婚裁判については【わかりやすく解説】離婚裁判ってどうやるの?を参考にしてね。

5.DVを理由に慰謝料請求・損害賠償請求ができる!

慰謝料というのは、精神的な苦痛を味わったことに対する損害賠償請求金です。

DVそのものによる精神的苦痛と、離婚をすることになったことによる精神的な苦痛が生じるため、慰謝料を請求することができるのです。

また、けがの治療費などについても、損害賠償請求をすることができます。

*この記事は投稿時の法律や資料に基づいて作成されています。