①②のどちらの場合も戸籍や名字についての手続きが必要です。
夫の方が手続きが必要です。
あなたの本籍地(=戸籍のある場所)のある場所の市区町村の役所に行って、「離婚したのですが、戸籍や名字の手続きについて教えてください」と聞きましょう。
(自分の本籍地が良くわからない場合は、住んでいる場所の市区町村役場に行って、調べ方を聞いてください)
●結婚をしたときに、相手の姓になった人は、このページを読んで離婚後に旧姓に戻すか、戸籍はどうするかを決めましょう。
●離婚をして新しい戸籍を作る場合や、子供を新しい戸籍に入れる場合、手続きが複雑です。ですが、市区町村役場に行けば、やり方を教えてくれます。わからないことは、係の人にとことん聞けば、きちんとできますよ!
1.戸籍ってなに?
1-1.戸籍とは
戸籍というのは、個人の氏名、生年月日、死亡年月日、家族関係などを記載し、身分を証明する文書です。
戸籍は原則として、夫婦+未婚の子供(子供が成人している場合も含みます)で1つの戸籍を作ります。
同じ戸籍には親・子の2代しか入ることはできません。つまり、祖父母・親・子の3代で同じ戸籍に入ることはできません。
1-2.戸籍と姓(名字)
戸籍を作る際には、「筆頭者」を決めなければなりません。
戸籍には、家族の名前がいくつか書かれますが、その中で一番最初に名前が記載される人が「筆頭者」です。
戸籍の筆頭者の姓が戸籍に記載されている家族全員の姓になります。
違う姓の人が同じ戸籍に入ることはできません。
2.離婚後の戸籍と姓をどうするか?
2-1.戸籍と姓の決め方のパターン
離婚により妻は夫の戸籍から抜けることになります。そこで、戸籍をどうするか決める必要があります。
【戸籍と姓のパターン】
●離婚後に旧姓に戻る場合
→戸籍は、結婚前の親の戸籍に戻ることができます。
→新しい戸籍を作ることもできます。
●離婚後も結婚中の姓を名のり続けたい場合
→新しい戸籍を作ります。
2-2.離婚後に旧姓に戻りたい場合
戸籍は2パターン
結婚前の親の戸籍に戻ることもできます。
妻を筆頭者とする新たな戸籍を作ることもできます。
戸籍をどうするかの決め方
結婚前の戸籍(妻の親の戸籍)が除籍されているとき→新たな戸籍を作る
「除籍」というのは、その戸籍がなくなっていることを言います。
すでに妻の両親が2人とも亡くなっており、結婚前の戸籍に誰もいなくなって戸籍がなくなってしまっている場合などがこれに当たります。
旧姓に戻って、子供と妻(子供から見た母親)が同じ戸籍に入りたいとき→新たな戸籍を作る
1つの戸籍には親子2代までしか入れません。つまり、祖父母・母・子というような3世代の戸籍を作ることはできません。したがって、子供と妻(子供から見た母親)が同じ戸籍に入りたいときは、妻を筆頭者とする新しい戸籍を作る必要があります。
旧姓に戻る+親の戸籍に入る場合の手続
離婚届に「離婚後に親の戸籍に戻る」あるいは「自分を筆頭者とする新しい戸籍を作る」かを選んでチェックする箇所があります。
離婚届の「離婚後に親の戸籍に戻る」にチェックした場合は、それ以外に特に手続きをせずに、結婚前の戸籍(妻の親の戸籍)に入って、旧姓に戻ることになります。
旧姓に戻る+妻を筆頭者とする新たな戸籍を作る場合の手続
離婚届に「離婚後に親の戸籍に戻る」あるいは「自分を筆頭者とする新しい戸籍を作る」かを選んでチェックする箇所があります。この「自分を筆頭者とする新しい戸籍を作る」にチェックを入れます。
そして、「婚姻前の氏に戻る者の本籍」という欄があるので、そこに新しい本籍地を記載します。
本籍地は自由に決められますので、現在の住所地でも、離婚して引っ越すようであればその住所地を本籍地としてもかまいません。
この離婚届の手続きだけで、新しい戸籍の作成と、旧姓に戻る手続きは終わりです。
2-3.離婚後も結婚中の姓を名のりたい場合
新しい戸籍を作らなければならない
家族でも、姓が異なる人は同じ戸籍に入ることはできません。したがって、妻とその親の姓が異なる場合は、親の戸籍に戻ることができません。この場合は、妻を筆頭者とする新しい戸籍を作る必要があります。
新しい戸籍を作る+結婚中の姓を名のる場合の手続
「離婚の際に称していた氏を称する届書」の提出が必要です。
届出できる人
離婚により結婚中の姓を名のる本人
届出期日
離婚の日から離婚の日を含め3か月以内
*離婚の日とは、協議離婚の場合、届出の日(届出受理日)、裁判離婚の場合、裁判の確定の日等となります。
*届出の期日(3か月目)が役所の休日の場合、その日以降の最初の開庁日
届出場所
対象者の本籍地、届出人の所在地いずれかの市区町村役所戸籍担当に持参するか、本籍地に郵送してください。
必要なもの・届出書類
1.離婚の際に称していた氏を称する届
「離婚の際に称していた氏を称する届」の用紙は、届け出をする市区町村役場でもらってください。市区町村のホームページからダウンロードできる場合もあるので確認してください。
2.戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)
自分の本籍の市区町村役場に届け出る場合は、戸籍謄本は不要です。
3.子供の戸籍と姓
3-1.離婚後も父親の戸籍に子供を入れる場合
子供の姓はどうなるの?
この場合、姓も父親と同じです。同じ戸籍の家族は、全員、筆頭者の姓を名のることになるからです。
離婚後も父親の戸籍に子供を入れる場合の手続は?
結婚中の戸籍の筆頭者が父親の場合、離婚後の子供の戸籍や姓について、何も手続きをしなければ、子供の戸籍は父親が筆頭者のままです。
3-2.離婚後は母親の戸籍に子供を入れる場合
子供の姓はどうなるの?
同じ戸籍に入る人は同じ姓を名のらなければならないので、子供の姓は母親の姓になります。
母親が旧姓に戻った場合は、子供も旧姓になります。母親が離婚後も結婚中の姓を名のる場合は、子供も結婚中の姓になります。
離婚後は母親の戸籍に子供を入れる場合の手続きは?
①母親を筆頭者とする新しい戸籍を作る
↓
②子の氏の変更許可を家庭裁判所に申し立てる
↓
③母親を筆頭者とする新しい戸籍のある市区町村役場で、手続きをする
①母親を筆頭者とする新しい戸籍を作る
②子の氏の変更許可を家庭裁判所の申立て
申し立てる場所
子供の住所の家庭裁判所
*複数の子供が申し立てる場合は、そのうちの1人の子供の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てることができます。
申し立てに必要な書類
□子の氏の変更許可の申立書
…15歳以上用と15歳未満用の2種類あるので注意してください。
□子どもの戸籍(全部事項証明書)
…子供の本籍地の市区町村役場で手に入れてください。役場に直接行って手に入れることも、郵送で送ってもらうこともできます。詳しい戸籍の取得方法は、本籍地の市区町村役場に聞いてみてください。役場に行って聞くことも、電話で問い合わせることもできます。
□父・母の戸籍全部事項証明書(離婚の記載のあるもの)
□収入印紙800円分
□連絡用の郵便切手
…家庭裁判所によって金額が異なるので家庭裁判所に聞いてください。
□届出人の印鑑
…シャチハタ以外、認印可
③母親の新しい戸籍のある市区町村役場での手続き
②子の氏の変更許可を家庭裁判所の申立ての必要書類等に不備がなく、申し立てが認められると、「子の氏変更許可審判書謄本」が1週間程度で自宅に届きます。そうしたら、この手続きに入ってください。
□入籍届
…母親の新しい戸籍のある役所で用紙をもらって記入してください。
□父親を筆頭者とする子どもの戸籍謄本(全部事項証明書)
…親が離婚したことが記載されていることが必要です。
ただし、届け出をする市区町村にこの戸籍(父親を筆頭者とする子どもの戸籍)がある場合は、この戸籍謄本は不要です。
□母親が新しく作成した戸籍謄本(全部事項証明書)
…ただし、届け出をする市区町村にこの戸籍(母親が新しく作成した戸籍)がある場合は、この戸籍謄本は不要です。
□届出人の印鑑
…シャチハタ以外、認印可
□子の氏変更許可審判書謄本(子どもの名字を自身の旧姓に変えた場合)
…②子の氏の変更許可を家庭裁判所の申立ての必要書類等に不備がなく、申し立てが認められると、審判書謄本が1週間程度で自宅に届きます。