1.弁護士を探すときに一番気を付けること
弁護士に依頼をする場合、その弁護士に離婚の件を依頼するという契約書を作成します。
その際、よく考えずに契約してしまう人も多いです。
しかし、離婚の際には自分の結婚生活などプライベートな事情をその弁護士に相談しなければなりません。また、弁護士の料金は人によって大きく異なります。
ですから、まず、その場で契約せずに、法律相談をし、料金も詳しく聞いた後で、いったん自宅に戻ってじっくり考えてから契約してください。
「この弁護士に任せていいのだろうか」「料金は高すぎないだろうか」と少しでも不安があったら、他の弁護士にも相談に行って、比較してから依頼してください。
契約をした後で、「やっぱり、他の弁護士に頼みます。」と断っても、高額な(通常、20万円から40万円)着手金(依頼するときに支払う費用)は返してもらえないことがほとんどなので気を付けてください。
2.弁護士を探す方法
弁護士の探し方
①離婚した知人からの紹介
②知り合いの弁護士に頼む
③役所や弁護士会の法律相談で相談した弁護士に頼む
④ネットで探す
⑤民事法律扶助を利用する場合→法テラスからの紹介or自分で探す
2-1.離婚した知人からの紹介
2-2.知り合いの弁護士に頼む
自分の勤めている会社の顧問弁護士や、同級生などの知り合いの弁護士に頼む人も多いです。
離婚というのは、特殊なケース(外国人との離婚など)でなければ、ほとんどの弁護士は担当したことがあるので、その人の人柄がよければ依頼してよいと思います。
ただし、人柄がよさそうに見えても、料金の取り方ががめつかったりする人もいるので、まずは法律相談をして、じっくり考えてから依頼してください、
2-3.役所や弁護士会の法律相談で相談した弁護士に頼む
市町村の役所やお住まいの都道府県の弁護士会に問い合わせると、無料や30分5000といった料金で法律相談を行っています。
役所の法律相談では、担当した弁護士に離婚を依頼することを禁止している場合もあります(役所が特定の弁護士の営業をしていることになってしまうからです。)
その場合も、法律相談の際に、弁護士の名前や法律事務所の名前を聞いて(名刺をもらってもよいと思います)、後で、法律事務所に問い合わせて依頼をすると受けてもらえることもあるので、試してみてください。
2-4.ネットで探す
といった弁護士を紹介してくれるサイトで探すという方法もあります。
ただし、ネットで弁護士を探す場合、ネットの情報だけで決めない方が良いです。
「ご自宅の近くにある弁護士事務所」「離婚事件を多く扱っている弁護士事務所」など、ある程度絞り込んでから、いくつか問い合わせの電話・メールをして、その時の対応あy、実際に法律相談をしてみた際の様子で判断してください。
2-5.民事法律扶助を利用する場合
法テラスとは
「法テラス」というのは、全国各地にある、国が設立した法的トラブル解決の総合案内所です。
収入と財産が低いなど一定の条件を満たした人は、法テラスで無料の法律相談を受けることができます。また、弁護士立て替え(後で少しずつ返済が必要です)もしてもらえます。この制度を「民事法律扶助」といいます。
民事法律扶助を利用できる弁護士の探し方
- 法テラスで紹介してもらう(おすすめしない)
- 自分で民事法律扶助を利用できる弁護士を見つける(おすすめ!)
法テラスで弁護士を紹介してもらえるけどおすすめしない
全国で約23,000人の弁護士が「民事法律扶助を利用する人から依頼を受けてもいいですよ。」と法テラスと契約しています。
法テラスに民事法律扶助をやっている弁護士の紹介を頼むと、その地域の弁護士が名簿順に順番に割り当てられます。
この場合、弁護士を選べません。「評判のいい弁護士にお願いしたいんです。」といっても、聞いてもらえません。
(「自分の住んでいるところに近い弁護士をお願いします。」ということは聞いてもらえるかもせ入れません。)法テラスは国の施設なので、どの弁護士がいいか悪いかを判断して、推薦することができないからです。
自分で民事法律扶助を利用できる弁護士を探す
法テラスと契約している弁護士しか、民事法律扶助(無料法律相談・弁護士費用の立て替え)は利用できません。
そこで、自分で法テラスと契約している弁護士を見つけてきて、その弁護士に民事法律扶助を利用して依頼するという方法もあります。
つまり、①知人からの紹介・②知り合い・③役所や弁護士会の法律相談・⑤ネットで探すと言った方法で、民事法律扶助が利用できる弁護士を探す方法です。
弁護士事務所のホームページに「民事法律扶助を利用できます」と記載しているかみてください。
また、利用できるのに記載していない弁護士もいるので、事務所に直接、問い合わせてみると良いと思います。
法テラスのサイトにも、法テラスと契約している弁護士の一覧がのっています。→こちら
自分の都道府県をクリックすると、法テラスと契約している弁護士の名簿が見られます。
一覧から自分の家の近くの弁護士事務所を探して、そのホームページを見て選ぶという方法もあります。
3.弁護士に依頼をする際に気を付けた方が良いこと
①すぐに依頼しない→迷った場合は他の弁護士にあたってみる
②料金をくわしく確認する
③弁護士が何人かいる事務所の場合、相談した人が担当するか確認する
3-1.すぐに依頼しない
弁護士に離婚について依頼する場合には、その弁護士と契約書をかわすことになります。
何度もくり返しになりますが、法律相談をしたり、料金を聞いたりする前に、簡単に契約しないように気を付けてください。
「この弁護士に依頼していいのだろうか」と少しでも不安になった場合は、他の弁護士にも法律相談をしてみて、比較して決めてください。
3-2.料金をくわしく確認する
ただ、「報酬金は依頼者が得られた利益の〇%」と決めているところが多いけれど、中には、なんでもかんでも利益に入れて計算して、高額な弁護士費用を請求するような、悪い事務所も中にはあります。
3-3.法律相談した弁護士が自分を担当するか確認する
何人か弁護士がいる事務所の場合は、法律相談をした弁護士が信頼できると思い契約したところ、実際、自分を担当した弁護士は新人の頼りない弁護士だった…などということもあります。
ですので、契約をする際には、「〇〇先生が担当してくれるんですよね。」ときちんと確認をしてください。
弁護士が1人しかいない事務所の場合は、もちろんその弁護士が担当します。
弁護士以外が法律相談にのるのは違法なので、事務員が法律相談を担当するというようなことはありません。
4.弁護士を探す時のポイント
①弁護士事務所の場所
②料金
③自分との相性
④説明がていねいか
⑤(弁護士費用が払えない場合)民事法律扶助を使えるか
4-1.弁護士事務所の場所
法律相談や打ち合わせをするために、何度も法律事務所に行くことになります。
なので、あまりにも遠い場所の弁護士事務所は避けた方が良いです。
4-2.料金
弁護士も事務員の給料や事務所の賃料などを支払わなければなりませんから、弁護士費用をとらなければ、事務所の運営ができなくなってしまいます。
また、相手方と何度も交渉をするなど、手間をかけてくれる弁護士ほど、それに見合った弁護士費用を請求する必要がありますから、弁護士費用は安ければよいというわけではありません。
また、弁護士費用については、こちらが聞いた際に、誠実に説明してくれるかで、信頼できる弁護士か判断すると良いと思います。
弁護士事務所のホームページや、弁護士事務所にある料金表だけでは、あなたのケースで料金がいくらかかるのかは、わからないと思います。「自分のケースではいくらかかりそうか」ということを聞いてきちんと対応してくれるかをみてください。
なお、弁護士費用が払えない場合は、民事法律扶助を利用してください。
4-3.自分との相性
弁護士には、自分の夫婦生活や財産など、プライバシーを開示して相談するのですから、あなたにとって信頼できるかが大切です。
4-4.説明がていねいか
離婚をする際には、難しい法律問題がからんできますから、それをわかりやすく説明してくれるということも大切です。
また、有利なことばかりをならべるのではなく、あなたにとって不利なこともきちんと説明してくれることも重要です。正しい情報を提供して、客観的なアドバイスをしてくれるのが良い弁護士です。
4-5.(弁護士費用が払えない場合)民事法律扶助を使えるか
弁護士費用が払えず、民事法律扶助(法テラスが弁護士費用を立て替えてくれる制度)を利用したい場合は、法テラスと契約している弁護士に依頼しなければなりません。