なので、できたら弁護士に頼んだ方が良いですが、弁護士費用は高額なので、簡単に頼めないですよね。
ここでは、弁護士費用がいくらかかるか、弁護士なしでも離婚できるのかチェックしてみましょう。
弁護士に安く依頼する制度についても解説します。
1.あなたの離婚に弁護士が必要かチェックリスト
□離婚が裁判になりそうな場合
裁判をするには、法律の知識が必要なので、弁護士を頼んだ方が良いです。
協議離婚や調停離婚の場合も、弁護士に頼んだ方が良いですが、弁護士を頼まない人も多いです。
【離婚の種類】
●協議離婚(きょうぎ・りこん)
…夫婦で話し合って「離婚をします。」と決めて、離婚届を出す離婚の方法。
●調停離婚(ちょうてい・りこん)
…家庭裁判所で、調停委員という男女2人の人に間に入ってもらって、夫婦で話し合いを行う離婚の方法。夫婦で「離婚します。」と決めないと調停離婚はできない。
●裁判離婚(さいばん・りこん)
…夫婦の話合いがまとまらないので、協議離婚も調停離婚もできない場合におこなう裁判で離婚。裁判官が、離婚するかしないか決定する。
□弁護士費用を払っても離婚や親権などを勝ち取りたい場合
相手が離婚に応じてくれない場合や、親権を得たい場合など、どうしても勝ち取りたいものがある場合は、弁護士に依頼したほうが良いです。
□離婚で得られる金額が大きい場合
弁護士費用については、後でまた説明しますが、一般的に数十万から数百万円ものお金がかかります。
高額な慰謝料や財産分与がもらえそうな場合など、弁護士費用よりも、離婚が成立して得られる金銭の方が大きい場合は、弁護士に依頼しましょう。
□DV(暴力)・モラハラ(暴言など)・ストーカーなど、相手と直接話し合いができない場合
夫からDVやモラハラをされている場合や、夫がストーカーになってしまっているなどの場合は、弁護士に間に入らないと離婚の話し合いを進めるのが難しいです。
特に相手が暴力をふるうような場合は、直接本人が離婚の話合いをすれば、命の危険もあるので、弁護士に頼んだ方が良いです。
□忙しい・うつになってしまったなど、あなたが自分で離婚の話合いや手続きをすることができない場合
相手の浮気やDVなどで離婚しようとする際には、精神的にきつくて相手と交渉するのがしんどい人がほとんどだと思います。
場合によっては、うつになってしまう人も少なくありません。
そんな場合は、弁護士に任せた方が良いと思います。
□自分で離婚の準備や手続きをすることができない方
このサイトでは、個人が離婚手続きをできるように、なるべくわかりやすく説明しています。
それでも、自分で行うのが難しいのであれば、無理をせずに弁護士に頼んだほうがよいでしょう。
□民事法律扶助を利用できる場合
「民事法律扶助(みんじほうりつふじょ)」というのは、月収があまり高額でなく、財産もそれほど持っていない方に対して、国が弁護士費用を貸してくれる制度です。
民事法律扶助については、後半で説明しますね。
2.弁護士にかかる費用のめやす
だから、ここに書いてある費用はあくまでも目安なので、弁護士に依頼する前に、弁護士にきちんと費用を確認してくださいね。
法律相談の弁護士費用
=30分あたり5千円~1万円
(離婚の弁護を依頼しないで、弁護士事務所で法律相談だけをした場合)
協議離婚の弁護士費用
=20万円~60万円
調停離婚の弁護士費用
=40万円~60万円
裁判離婚の弁護士費用(調停から依頼した場合)
=40~70万円
離婚はいきなり裁判をすることができず、まず調停をして調停が不成立になった場合に、離婚裁判をすることができます。調停から裁判まで同じ弁護士に依頼する場合は、調停の弁護士費用にプラスして、裁判の弁護士費用がかかることが多いです。
裁判離婚の弁護士費用(裁判から依頼した場合)
=50~100万円
調停は弁護士をつけなかった、あるいは調停では他の弁護士に頼んでいた場合に、裁判からその弁護士に依頼するときの料金です。
3.お金がなくても民事法律扶助(みんじほうりつふじょ)をつかえば、弁護士を頼めます
民事法律扶助を受ける条件をクリアーしているのに、制度を知らずに利用していない人が多いのです。
条件を満たす人は、どんどん利用してほしいです。
3-1.民事法律扶助はこんなにお得な制度
①国が弁護士費用を貸してくれる・返済は月1万円ずつ
民事法律扶助を利用した場合、国が弁護士費用をたてかえてくれます。
離婚の後、慰謝料や財産分与などで財産が入った場合は、そこから弁護士費用を返せばよいです。離婚で財産が入らなかった場合は、毎月1万円ずつ返せばよいのです。
②生活保護を受けている人は弁護士費用を返さなくてよい
生活保護を受けている人でも、離婚の慰謝料や財産分与でお金が入った場合は、そこから弁護士費用を支払う必要があります。これらのお金が入らない場合は、弁護士費用は払わなくてよいです。
③民事法律扶助を使って弁護士を頼んだ場合、普通より弁護士費用が安い
民事法律扶助を使う場合は、弁護士費用が決まっています。この場合の弁護士費用は普通に弁護士を頼んだ場合の費用より、かなり安いです。
④無料の法律相談が受けられる
民事法律扶助の条件を満たす人は、無料で法律相談が受けられます。
3-2.民事法律扶助を利用できる人
民事法律扶助を利用するためには、給料などの収入が一定額以下であること、財産が一定額以下であることが必要です。
この場合の収入や財産は、夫婦で合わせたものではなくて、あなただけの収入や財産で計算してよいです。
あなたが利用できるかシュミレーションしてみてください
→民事法律扶助の利用要件シュミレーション
自分が民事法律扶助を受けられるかよくわからない場合は、法テラスのサポートダイヤルに電話してみてください。
4.弁護士に頼むかきめられないときは、まずは法律相談をしましょう
まず、法律相談に行って、あなたの離婚に弁護士が必要か判断してもといいと思いますよ。
4-1.法律相談をする弁護士はどうやって探すの?
弁護士事務所での法律相談
離婚に強い弁護士を知り合いから紹介してもらえる場合は、それが一番良いでしょう。
ネットで弁護士を探すこともできます。
【ネットで弁護士を探せるサイト】
●弁護士ドットコムで弁護士を探す場合は→こちら
●ココナラ法律相談で弁護士を探す場合は→こちら
●リーガラスで弁護士を探す場合は→こちら
法律相談の料金はだいたい1時間5000円から1万円くらいです(弁護士事務所によって料金は違います)。
法律相談のあとで、離婚について依頼する場合は、法律相談の料金は無料にしてくれるところも多いです。
弁護士会の法律相談
都道府県ごとに弁護士会があります。(通常は1つの県に1つの弁護士会ですが、東京都や北海道のように複数の弁護士会がある都道府県もあります。)
弁護士会では、30分5000円といった料金(料金は弁護士会によって多少異なります)で、法律相談を行っています。
市区町村の役所の法律相談
お住まいの市区町村で「〇〇市 法律相談」で検索してみてください。あるいは、役所に問い合わせてみてください。
ほとんどの、市区町村では月に何回か、役所に弁護士を呼んで法律相談を行っています。
市区町村の法律相談は無料のことが多いですが、30分5000円といった料金を取る場合もあるので確認してください。
4-2.法律相談をする前に、離婚ノートを作りましょう
法律相談をする場合には、時間が決まっていることが多いです。
ですので、あらかじめ、自分の考えや現在の状況などを整理しておかないと、聞きたいことを聞けずに、時間がたってしまいます。
そこで、離婚ノートをあらかじめ作っておいて、それを持って行ってください。
①自分が何を望んでいるか
離婚したいか、親権・慰謝料・財産分与・養育費をどうしたいかなど
②結婚・離婚に関する大きな出来事を年表にする
年表のフォーマットは→こちら
③その他にあなたが弁護士に聞きたいこと
時間がなくてすべて聞けないこともあるので、聞きたい順にメモしてください
4-3.法律相談でやるべきこと
①まずは、離婚ノートを見てもらう
弁護士は文章を読むのがものすごく速いです。あなたが、口頭で説明するよりも、黙って文章を読んでもらった方が、スムーズに話が進みます。
②離婚についてわからないこと・知りたいことを相談する
③弁護士に依頼するか迷っている場合は、この離婚について弁護士に頼まなかった場合のデメリットを聞く
④弁護士に依頼しようと考えている場合は、その弁護士に依頼することができるか、依頼するとしたら、どのくらい費用がかかるのかを聞く
5.弁護士を頼むと決めた後は…
弁護士の探し方・選び方のコツを教えますを見てください