離婚と子供

離婚で親権を勝ち取るには?準備やポイント【わかりやすく解説】

りこん先生
りこん先生
未成年の子ども(0歳~17歳)がいる場合は、離婚するときに「親権」「養育費」「面会交流」「戸籍と姓」を決める必要があります。まずは、親権について説明しますね。 

1.親権とは

「親権」とは、未成年の子ども(0歳~17歳)に対する親の責任や義務のことをいます。

親権がある親のことを「親権者」といいます。

未成年の子どもがいる場合は、親権者を父か母かどちらにするかを定めないと、離婚をすることはできません。

2.親権者を決める手続きの流れ

離婚の方法には、協議離婚と調停離婚と裁判離婚があります。

2-1.協議離婚の場合の親権者の決め方

協議離婚とは、婦で話し合って「離婚をします。」と決めて、離婚届を出す離婚の方法をいいます。

離婚届には、未成年の子どもの親権者を記載する場所があります。親権者が書かれていないと、離婚届は受理してもらえません。

協議離婚について詳しく知りたい方は→こちらを参考にしてください。

2-3.調停離婚の場合の親権者の決め方

調停離婚とは、家庭裁判所で、調停委員という男女2人の人に間に入ってもらって、夫婦で話し合いを行う離婚の方法です。夫婦で「離婚します。」と決めないと調停離婚はできません。

この調停離婚をする場合も、調停で未成年の子がいるときは、親権者を父か母かどちらにするか決めないと離婚できません。

調停離婚についてくわしく知りたいかたは→こちらを参考にしてください。

2-4.裁判離婚の場合の親権者の決め方

裁判離婚とは、夫婦の話合いがまとまらないので、協議離婚も調停離婚もできない場合におこなう裁判で離婚のことです。裁判官が、離婚するかしないか決定します。

離婚裁判では裁判所が親権者を誰にするかを決めることになります。

裁判離婚についてくわしく知りたいかたは→こちらを参考にしてください。

3.親権者になるためのポイント・チェックリスト

離婚裁判で親権者を決める場合には、裁判所があなたを親権者として認めるポイントがいくつかあります。

協議離婚や調停離婚は、夫婦で話し合って親権者を決めるため、親権者となるための条件などはありません。お互いに話し合って決めれば、どちらが親権者になってもかまいません。

ただ、このポイントを押さえていれば、「裁判になっても私が親権者になれます。」といえるため、交渉がしやすいです。

□母親が親権者として認められやすい

母親が親権者となるのは全体の約9割、父親が親権者となるのは約1割程度です。

子どもが小さい場合は特に母親が親権者と認められやすいです。

□離婚前に子どもと生活している親が親権者と認められやすい

離婚後に、急に環境が変わってしまうと子どもにストレスを与えてしまいます。
そのため、裁判所は離婚前に子どもと一緒に生活している親を親権者とすることが多いです。

つまり、離婚前に同居している親が子どもを虐待している、重大な病気や依存症などがあり子どもを養育できない、といったような特別な事情がない限り、現在、子どもと同居して育てている親が親権者として指定されることがほとんどです。

りこん先生
りこん先生
母親であっても、離婚前に子どもを置いて家を出てしまうと、親権者として認められなくなってしまう可能性がたかいです。

離婚前に別居する場合は、絶対に子どもを連れて家を出るようにしてください!

□子どもの意見も重視される

誰が親権者と指定されるかについては、子ども自身の意見も重要になります。

特に子どもが15歳以上の場合、家庭裁判所は子どもの意見を聞かなければいけないことになっています。

□不倫など離婚の責任がある者でも親権者になれる

不倫など、離婚の原因を作った側であっても、親権者になれます。

親権者を誰にするかは、子どもの利益を第一に考えるので、夫婦関係を壊した責任があるかではなく、子どもを育てるのにふさわしいかで判断されるのです。

□経済力がない親でも親権者になれる

専業主婦(専業主夫)である、パートでしか働いていないなども、親権者になれます。

それよりも、きちんと子どもの面倒をみられるかということが重視されるからです。

ただ、今は専業主婦だったとしても、離婚後はきちんと働くつもりがあることなどを主張してください。

□親が精神的・肉体的に問題がある場合は親権が認められないこともある

精神的、肉体的な病気をかかえている、精神的に不安定な面があるといった場合には、親権者としてふさわしくないと判断されるおそれがあります。

病気がある場合などは、問題なく子育てができるというような診断書をもらっておくとよいでしょう。

□子どもへのかかわりが大きい方が親権者として認められやすい

離婚前に子どもの世話をしていたか、教育への関わり方などからも、適切な子育てができる親かが判断されます。

また、離婚後に子どもと一緒に過ごせる時間が多いほうが、親権者として選ばれるのに有利です。

□兄弟姉妹は同じ親権者になるように配慮される

兄弟姉妹が離婚でバラバラにならないように、兄弟姉妹の親権者はなるべく一緒になるように配慮されます。

□離婚後に相手に面会交流を認めるつもりがあることを主張したほうが良い

子どもの成長にとって、父親と母親の両方の愛情を受けるということは非常に重要です。

したがって、離婚後に自分が親権者になることを希望としても、相手との面会交流(定期的に会ったりすること)を全く認めないと主張することは不利になります。

ただし、相手が子どもを虐待する場合や、相手に酒乱、薬物使用、犯罪行為などの問題行為がある場合、子どもを連れ去る恐れがある場合、子どもが相手の面会交流を拒否している場合などは、面会交流を認めなくてもかまいません。

4.親権を勝ち取るための準備

4-1.離婚をする前に別居する場合は、子どもを連れて行く

子どもを置いて出て行って、相手と子どもだけでしばらく暮らしていると、相手の方が親権者としてふさわしいと裁判所に判断されてしまう可能性があります。

4-2.離婚との子どもの生活環境を整える準備をする

離婚後に子どもを転校させるか、塾や習い事をどうするかなどを調べて準備しておきます。

4-3.離婚後に子育てを協力してくれる人を準備

自分が病気になった場合や、仕事を休めない場合など、いざという時に子育てを手伝ってくれる人が必要です。

自分の父母、親戚、友人、保育園、ベビーシッターなどの準備をしておきましょう。

市区町村で、ひとり親家庭の子どもを預かるサービスなどをしている場合もあります。

4-4.市区町村のひとり親に対する援助を調べておく

独自のひとり親の援助を行っている市区町村も多いです。

離婚後に住む市区町村について、ひとり親に対する援助をホームページや市区町村の役所においてある冊子などで調べておいてください。

【市区町村で行っているひとり親の援助の例】

●ひとり親への支援金の支払
●無利子や低金利で、生活費や子どもの教育費などのお金の貸付
●子どもを預かってくれる制度
●ひとり親の就職の支援
など…

りこちゃん
りこちゃん
離婚後に引っ越す予定の方は、ひとり親への援助が多い地域かどうかも、引っ越し先を決めるときの判断に入れるといいですよ。

4-5.収入の確保

今の時点では、専業主婦などご自身の収入がない場合でも、問題なく親権を得ることができます。

養育費や児童扶養手当(18歳未満の子を養っているひとり親に支給されるお金)などがありますし、働けない場合は生活保護を得ることができるからです。

ただ、離婚後に子どもとよりよい生活をするためにも、ご自分のケースでは、離婚でどのような収入や手当が得られるか、どのような仕事をしていくら給料をもらえそうかを調べて計算しておきましょう。

【離婚後の収入や手当として考えられるお金】

●自分が働いて得られるお金
…ひとり親家庭の就職支援を行っている市区町村も多いので、就職や就職のための資格取得などを考えている人は、離婚後に住む市区町村役場で調べてみてください。

●相手からの養育費

●自分の親兄弟などからの援助

●児童手当
…ひとり親だけでなくすべての0歳から中学生までの子どものいる家庭に支給されるお金

●児童扶養手当
…18歳までの子どもがいるひとり親家庭などに支給されるお金

●特別児童扶養手当
…20歳未満の肉体的あるいは精神的な障害がある子どもを育てている家庭に支払われるお金

●障碍児福祉手当
…身体的または精神的な障害があるために日常生活を自力で送ることができず、常時介護を必要とする20歳未満の子どもに支払われるお金

●生活保護
…離婚後に子どもが小さくて働けない、ご自身が精神的・肉体的な病気を抱えていて働けないなどの場合は、迷わずに離婚後は生活保護を申請しましょう。生活保護を受けようとしている場合は、ご自分の場合は、いくら生活保護費が支払われるかを調べて置いてください。

●児童育成手当
…東京都の場合は、18歳までの児童を扶養する母子家庭が対象で、児童1人につき月額13,500円が支給されます。お住いの市区町村でこの制度があるかが違うので、市区町村役場に問い合わせてください。

りこん先生
りこん先生
離婚後に住む市区町村で、どのようなお金がいくらもらえるかは、自分で調べてもよくわからないことも多いと思います。

そんな場合は、市区町村の役所に行って「この市区町村では、自分の場合は、離婚後にどのような手当てがいくらもらえますか。」と相談してみてください。

4-6.子どもの意思の確認

子どもがある程度大きくて、自分の意思がちゃんとある場合には、「離婚後に誰と住みたいか、引っ越しや転校などについてどうしたいか。」といった要望をあらかじめ聞いておいてください。

ただし、デリケートな問題なので、子どもに自分の意見を押し付けたり、どちらと住むのかという判断を迫ったりしないように気を付けてください。

5.親権者としてふさわしいことを示す証拠を集めましょう

5-1.なぜ証拠が必要なの?

離婚裁判で親権者として認められるには証拠が必要

親権の争いが話し合いで決着がつかずに裁判になる場合は、自分が親権者としてふさわしいという証拠を裁判で提出する必要があります。

調査官調査の際にも証拠があると有利

あとで述べるように、離婚調停や離婚裁判の際に、調査官調査が行われることがあります。

その場合は、調査官に証拠を提出して、自分が親権者としてふさわしいことをアピールすることが重要です。

協議離婚や調停離婚の場合も証拠があると有利

夫婦の話し合いで親権者を決める場合も、相手に、「自分の方が親権者としてふさわしい」という証拠を見せることで、納得させることもできます。

証拠がきちんとあれば、「話し合いで親権者が決まらずに、裁判になったとしても、こんなに証拠があるから自分が親権者として認められる!だから、もめても無駄だ」!と主張することができるからです。

5-2.親権を勝ち取るための証拠は、何があるの?

子どもの状況がわかる資料を保管しておく

母子手帳、お薬手帳、幼稚園・保育園・学校との連絡帳、学校の通知表、習い事の連絡帳などを準備しておいてください。別居する際にはきちんと持って出るようにしてください。

連絡帳はほとんど自分が記載していたなど、自分のかかわりを示せると有利です。

そうでない場合も、資料として必要なので、きちんと管理しておいてください。

別居中に面会交流をしていた場合は、その資料

写真や日記などで、面会交流の状況を資料として残しておいてください。

相手ときちんと面会交流をさせていたということは、親権者として認められるための有利な証拠となります。

また、相手が面会交流中に子どもの虐待や連れ去りをしたなど、相手にトラブルがあった場合はその証拠を残しておいてください。

あなたと子どもとの関わり合いがわかる日記や写真、メール、LINEなど

あなたとと子どもの関わり合いの深さがわかるような日記や写真メール、LINEなどを用意しておいてください。

ただし、日記はパソコンやスマホのメモなどに記載していると「後から書き変えた」と言われしまうので、手書きの方が良いです。

一日のスケジュールのメモの作成

起きてから寝るまで、子どもと1日をどのように過ごしているかという1日のスケジュールを作成しておくとよいと思います。

そうすると、子どもの世話を自分がきちんと行っていて、子どもにとって自分が必要であることをアピールできます。

6.離婚調停や離婚裁判で「調査官調査」が行われることもある

6-1.調査官調査ってなに?

離婚調停や離婚裁判で親権者を誰にするか争われている場合、裁判官が、家庭裁判所の調査官に調査を命じて、子どもの状況や子育ての状態について調査をさせることが多いです。

親権が争われているすべてのケースで調査がされるわけではありません。

調査後、調査官が裁判官に調査報告書を提出します。調査報告書は、離婚裁判で裁判官がどちらを親権者にするか決める重要な判断材料になります

6-2.調査官調査とは何を行うの?

家庭裁判所での父母の面接、子どもの通う保育園・幼稚園・学校などへの聞き取り調査、家庭訪問調査、子どもとの面接などが行われます。

家庭裁判所での父母の面接

父母それぞれから、子どものことや生活について調査官が聞き取りを行います。

りこん先生
りこん先生
親権への意欲や人柄、経済力、心身の健康状態などが確認されるため、自分が親権者としてふさわしいことを調査官にアピールしましょう

あなたが親権者になった場合に相手に面会交流を認めるかも確認されますが、拒否するような発言はしないほうがよいです。 

子どもの通う保育園・幼稚園・学校などへの聞き取り調査

保育園・幼稚園・学校などへ調査官が訪問し、子どもの出席状況や、ふだんの様子などを聞き取ります。

家庭訪問調査

幼い子どもに面接を行う場合は、家庭訪問を行って養育環境を調査します。

子どもとの面接

子どもがだいたい10歳以上の場合は、子どもの面接も行います。

兄弟姉妹がいても、1人ずつ面接が行われます。

子どもの発達や心理状態を知るために、心理テストを行うこともあります。

*この記事は投稿時の法律や資料に基づいて作成されています。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA