離婚とお金

知らないと損をする!【徹底解説】養育費のすべて

りこちゃん
りこちゃん
養育費について決めるときに注意したほうがいいことって何ですか。

りこん先生
りこん先生
養育費を決めないで離婚をしたために養育費をもらえない人や、養育費は決めたのにしばらくして支払われなくなってしまう人が多いんだよ。だから、離婚をするときに養育費をきちんと決めること、そして、養育費を決めたら支払いを確保できるように準備しておくことが重要だね。 
もくじ
  1. 養育費とは
  2. 養育費を決める手続きの流れ
  3. 養育費に関して決めること
  4. 養育費の金額
  5. 養育費の支払い期間
  6. 養育費の支払いは分割?一括?
  7. 決められた養育費が払われない場合はどうする?
  8. 養育費の増額・減額
  9. どちらかが再婚したら養育費はどうなるの?
  10. 決められた養育費が払われない場合はどうする?

養育費とは

離婚する夫婦の間に未成年の子どもがいる場合、その子どもの「親権」を夫か妻のどちらかに決める必要があります。

親権がある親(親権者)は、親権がない親に対して、子供を育てていくための費用を請求することができます。この費用を「養育費」といいます。

母親が親権者となって、養育費は父親が母親に払う場合が多いです。

しかし、父親が子どもの親権者として世話をしている場合は、母親が養育費を支払うことになります。

養育費を決める手続きの流れ

離婚をする際に、養育費も決めることが多いですが、先に離婚をして、その後に養育費を決めることもできます。

りこん先生
りこん先生
養育費について決めずに離婚してしまうと、相手と連絡が取れなくなるなどして、養育費を請求することが困難になることも多いです。なので、できるだけ離婚の際に養育費についても決めた方が良いよ。 

離婚の際に養育費を決める方法

離婚には、大きく分けて
・協議離婚(夫婦が話し合って離婚届を出す方法による離婚)
・調停離婚(家庭裁判所で調停委員を間にはさんで夫婦で話し合って行う離婚)
・裁判離婚(裁判で行う離婚)
の3種類があります。

それぞれの養育費の決めた方については、協議離婚調停離婚裁判離婚を参考にしてね。

離婚後に養育費を決める方法

養育費について決めずに離婚が成立した場合であっても、離婚後に養育費を決めることもできます。

その際には、
・父親と母親で話し合って養育費を定める方法
・調停で定める方法
・審判で定める方法
があります。

父親と母親で話し合って養育費を決める方法

まずは相手方に連絡を取り、話し合いで養育費の支払いを決めていきます。

話し合いで養育費が決められた場合は、「執行認諾文言(強制執行認諾文言)」という文章が書いていある「公正証書」という形にしておくと、相手が支払わない場合は、財産を簡単に差し押さえられます。

公正証書は、公証役場に足を運んで公証人の立会いの元、作成します。

なお、公正証書の作成には次の手数料が発生します。

養育費請求の調停

父親と母親の話し合いで養育に火ついて決められない場合は、家庭裁判所に養育費請求の調停を申立てることができます。

父親と母親の間での話し合いをせずに、いきなり調停を申し立てることもできます。

調停というのは、調停委員が当事者同士の間に入り、双方から収入の状況や子どもの状況などを聞き、話し合いで解決に導いてくれる制度です。

養育費請求の審判

調停で父親と母親で養育費について話し合っても決着がつかない場合は、手続きは自動的に審判へと移行します。

養育費請求の審判では、裁判官が養育費の支払い方法や金額などを決めます。

養育費に関して決めること

離婚の際に養育費を決める場合も、離婚後に養育費を決める場合も養育費に関して以下のことを決める必要があります。

りこん先生
りこん先生
子供が複数人いる場合は、「全員まとめて〇〇円」ではなくて、11人別々に決めるようにした方がいいよ。 

①養育費の金額

②養育費を支払う期限

子どもが何歳になるまで支払うといった期限を定めます。

③養育負の支払方法
毎月定額で支払うか、一括で支払うかなどのを決めます。

養育費の金額

養育費の算定の際には、裁判所の作成した養育費算定表を用いてそれを参考にすることが多いです。

参考:養育費算定表

りこん先生
りこん先生
”養育費 計算ツール”と検索すると、この養育費計算表で計算するといくら養育費をもらえるのかをシュミレーションできるサイトがいくつかあるので、参考にしてみると良いよ。 

養育費は養育費算定表と同じ金額にしなければならないの?

父母の話し合いや調停で決める場合

協議離婚、調停離婚における話し合いや、離婚後の話し合いあるいは調停で養育費を決める場合は、養育費をいくらにするかは父母の自由です。

父母で話し合って、養育費をゼロとすることも可能ですし、養育費算定表よりも高額、あるいは少額の養育費にすることもできます。

調停離婚で離婚する際に養育費を定める場合や、離婚後に調停で養育費を定める場合は、調停委員から「算定表の額を参考にしてください。」と提案されることもありますが、この場合も、父母の話し合いで自由に額を決めることができます。

裁判や審判で裁判所が養育費を定める場合

裁判離婚で離婚する際に養育費を定める場合や、離婚後に審判で養育費を定める場合は、算定表の額を参考に、裁判官が養育費を定めます。

しかし、父親あるいは母親が特別な事情があることを裁判官に主張すれば、算定表よりも高額、あるいは低額の養育費が認められることもあります。

養育費の支払い期間

りこん先生
りこん先生
協議離婚・調停離婚などで父母で話し合って決める場合は、いつからいつまで支払うのかについても、自由に決めることができるよ。ただ、父母の話し合いがまとまらない場合は、裁判所では通常はどのような基準をとっているのかを参考にするといいよ。 

養育費はいつからもらえるの?

養育費は、原則として請求した時点以降からもらえることになります。過去に遡って請求することはできません。

そのため、離婚した時に、養育費についてきちんときめておくことが大切です。

養育費はいつまでもらえるの?

裁判で養育費を決める場合は、養育費が請求できるのは、原則として子が20歳になるまでとされています。

子どもが20歳前に就職した場合は?

裁判で養育費を決める場合は、子供が20歳前に就職しときは、養育費の支払いが不要とされることが多いです。

子どもが20歳を超えても学生の場合は?

父母の話し合いや調停で決める場合

協議離婚、調停離婚における話し合いや、離婚後の話し合いあるいは調停で養育費を決める場合、大学進学などの事情があるときは、子供の年齢が20歳を超えても養育費を支払うという定めをすることができます。

たとえば、以下のような定め方をします。
「子供が大学に進学する場合には、大学を卒業する月まで養育費を払う」
「子供が22歳に達した後に到来する3月末日までを養育費の支払い期間とする」(つまり、浪人や留年をした場合には、卒業前であっても養育費を支払わないということです)

裁判や審判で裁判所が養育費を定める場合

裁判離婚で離婚する際に養育費を定める場合や、離婚後に審判で養育費を定める場合、裁判所は、子供が大学に進学する可能性があるとしても「20歳に達する月まで」とすることが通常です。

ただし、すでに子供が大学に進学しているケースなどでは、卒業時までの養育費を命じることもあります。

子どもに障害がある場合はいつまで?

父母の話し合いや調停で決める場合

協議離婚、調停離婚における話し合いや、離婚後の話し合いあるいは調停で養育費を決める場合、子供の心身に障害があって、20歳になっても働けないときは、支払期間を20歳よりも上の年齢にすることができます。

裁判や審判で裁判所が養育費を定める場合

裁判離婚で離婚する際に養育費を定める場合や、離婚後に審判で養育費を定める場合は、原則として20歳までですが、養育費支払期間を20歳よりも上の年齢にし、その代わり金額を減額することで調整するケースもあります。

養育費の支払いは分割?一括?

父母の話し合いや調停で決める場合

通常は毎月払い

協議離婚における話し合いあるいは離婚調停、離婚後の話し合いあるいは調停で養育費を決める場合毎月払いとすることが多いです。養育費は、子を養育する親が子を監護していくのに必要な日々発生する費用ですから、その性質上、定期的に支払われる必要があるからです。

一括払いにすることもできる

父母の話し合いによって養育費の支払い間の全期間分の一括払いとすることもできます。現実には、養育費の支払いは長期間行われるため、その間に滞納が生じたり、全く支払われなくなってしまったりすることも多いです。

このため、離婚のときに一括払いで全期間分の養育費が支払われることは、養育費を受け取る側としては有利だからです。

裁判や審判で裁判所が養育費を定める場合

裁判離婚で離婚する際に養育費を定める場合や、離婚後に審判で養育費を定める場合は、養育費の一括払いはなされないことが多いです。

養育費は日々の生活のために支払うものですし、一括払いの養育費の支払いを受けた側が、養育費以外の用途に使ってしまった場合、未成年者が生活していけなくなるおそれがあるからです。

養育費の支払先

支払口座については、相手方名義の口座宛てに振り込むことが一般的ですが、子供名義の口座を開設し、その口座宛に振り込む方法も可能です。

決められた養育費が払われない場合はどうする?

養育費が支払われない場合は多い

現在、母子家庭のうちで、養育費をの支払いを受けている家庭は全体の4分の1しかありません(厚労省の平成28年度全国ひとり親世帯等調査)。

養育費の支払いを受けていない人が多いのは、離婚するときに養育費の取り決めをしていないケースが多いからです。

母子家庭の約半数が離婚をするときに養育費の取り決めをしていません。

離婚を成立させる際には、できるだけ養育費も決めた方が良いですし、離婚の際に養育費について定めていなくても離婚後に養育費を請求することができます。

養育費が支払われない場合にできること

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・養育費の履行勧告
・養育費の履行命令
・強制執行
・養育費の保証会社を利用する

りこちゃん
りこちゃん
養育費の支払いがない場合は、弁護士に相談したほうがいいんですか。

りこん先生
りこん先生
養育費の履行勧告や履行命令は、弁護士に相談しなくてもできるけれど、これらはあまり威力がないから、効力が弱いよ。強制執行をすれば相手に差し押さえることができるけど、個人でやるのは難しいから、弁護士に依頼したほうがいいね。 

養育費の履行勧告・履行命令

養育費について決めたのに、相手から支払がない場合、家庭裁判所に履行勧告をしてもらうように申立てをすることができます。履行勧告があっても養育費を支払わない場合は、家庭裁判所へ履行命令を申立てることができます。

履行勧告・履行命令ができる場合

履行勧告・履行命令は、家庭裁判所の調停や審判で養育費の具体的な取決めが行われた場合のみ利用できます。

父親・母親の話し合いで養育費の取り決めをしただけで、調停や審判で決められたのではない場合は、履行勧告・履行命令は利用できません。

履行勧告の効果

履行勧告では、裁判所から相手方に電話や書面などで「約束された義務を守るように」と説得・勧告をします。それによって、相手に心理的なプレッシャーをかけて支払わせます。

しかし、履行勧告を無視したり拒否しても、相手に支払いを強制することはできません。

履行命令の効果

裁判所が相当の期限を定めて履行を命じます。

それでも、相手方が履行命令にしたがわない場合、10万円以下の過料(罰金のようなものです)を支払わなければなりません。

したがって、履行勧告を無視する場合には、強制執行などの手続きをとる必要があります。

養育費の増額・減額

養育費は決めた後で増額・減額できるの?

りこん先生
りこん先生
養育費の額が決まっても、養育費を支払う親の失業や、子供の病気や進学など、後から事情が変わる場合もあるよね。そんな時は養育費の増額や減額を請求できることもあるよ。 

父親と母親の話し合い

父親と母親との話し合いをして、両方の合意を得られれば、養育費の増減や減額をすることができます。

この場合、話し合いの内容は公正証書にした方が良いです。公正証書にすれば、養育費が支払われない場合、比較的、簡単な手続きで相手の財産を差し押さえることができるからです。

すでに養育費について公正証書が作成されている場合でも、その内容を変更することにより増額あるいは減額を公正証書の形で残しておくことができます。

家庭裁判所の調停

父親と母親の話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に対して調停申し立てることもできます。

調停というのは、調停委員を間に挟んで父親・母親で話し合う手続きです。

家庭裁判所の審判

家庭裁判所で調停を行っても双方で合意が得られない場合は、自動的に家庭裁判所での審判へと移ります。

審判では家庭裁判所が増額・減額するべきかを決めます。

子どもと面会させてもらえない場合は、養育費の減額を請求できるの?

父親や母親が話し合いや調停で合意すれば、どのような理由の増額・減額も認められます。

もっとも、裁判所が審判で決定する場合は、子供と面会させてもらえないからといって減額を請求することができません。養育費は親であり子どもを養う義務があるために、支払わなければならないものであり、養育費と面会は別の問題だからです。

養育費を支払う側の減収や受け取る側の増収があった場合は、養養育費の減額を請求できるの?

父親や母親が話し合いや調停で合意すれば、どのような理由の増額・減額も認められます。

もっとも、裁判所が審判で決定する場合は、養育費を支払う側の減収や受け取る側の増収があった場合は、養育費の減額される可能性があります。

養育費は夫婦の年収が基準のひとつとなっています。

そのため、養育費を支払う側の収入が大きく減った時や失業して無収入になった場合、現時点の収入に応じて減額、または支払い義務をなくすことが可能です。

養育費を受け取る側の収入や資産が大幅に増えた場合も、減額できる可能性があります。

どちらかが再婚したら養育費はどうなるの?

再婚したら養育費の支払いは終了するの?

養育費を支払う側や受け取る側が再婚しても、父母と子どもとの関係がなくなるわけではないので、原則として、養育費の支払いは終了しません。

しかし、父親や母親が話し合いや調停で合意すれば、どのような理由の増額・減額も認められます。

家庭裁判所の審判で、養育費の支払い終了や減額が認められる場合もあります。

家庭裁判所の審判で養育費の支払い終了や減額が認められるか

※母親が親権者となり父親が養育費を支払っている場合

母親(養育費をもらう側)が再婚した
→新しい父親と養子縁組をした場合は、新しい父親の収入が高ければ、実の父親の養育費がゼロになるあるいは減額されることもあります。
→新しい父親と養子縁組をしないは、養育費の減額は認められません。

父親(養育費を払う側)が再婚した
→再婚相手が専業主婦である場合や、再婚相手との間に子どもが生まれた場、再婚相手の連れ子と養子縁組をした場合は、養育費の減額が認められる場合もあります。
→再婚相手の連れ子と養子縁組をしない場合は、養育費の減額は認められません。

父親(養育費を支払う側)の収入が減った・無収入になった
→現時点の収入に応じて減額、または支払い義務をなくす請求が可能です。

母親(養育費をもらう側)の収入・資産が大幅に増えた
→養育費の減額を請求することが可能です。

決められた養育費が払われない場合はどうする?

養育費が支払われない場合は多い

現在、母子家庭のうちで、養育費をの支払いを受けている家庭は全体の4分の1しかありません(厚労省の平成28年度全国ひとり親世帯等調査)。

養育費の支払いを受けていない人が多いのは、離婚するときに養育費の取り決めをしていないケースが多いからです。

母子家庭の約半数が離婚をするときに養育費の取り決めをしていません。

離婚を成立させる際には、できるだけ養育費も決めた方が良いですし、離婚の際に養育費について定めていなくても離婚後に養育費を請求することができます。

養育費が支払われない場合にできること

・養育費の履行勧告
・養育費の履行命令
・強制執行
・養育費の保証会社を利用する

りこちゃん
りこちゃん
養育費の支払いがない場合は、弁護士に相談したほうがいいんですか。

りこん先生
りこん先生
養育費の履行勧告や履行命令は、弁護士に相談しなくてもできるけれど、これらはあまり威力がないから、効力が弱いよ。強制執行をすれば相手に差し押さえることができるけど、個人でやるのは難しいから、弁護士に依頼したほうがいいね。 

養育費の履行勧告・履行命令

養育費について決めたのに、相手から支払がない場合、家庭裁判所に履行勧告をしてもらうように申立てをすることができます。履行勧告があっても養育費を支払わない場合は、家庭裁判所へ履行命令を申立てることができます。

履行勧告・履行命令ができる場合

履行勧告・履行命令は、家庭裁判所の調停や審判で養育費の具体的な取決めが行われた場合のみ利用できます。

父親・母親の話し合いで養育費の取り決めをしただけで、調停や審判で決められたのではない場合は、履行勧告・履行命令は利用できません。

履行勧告の効果

履行勧告では、裁判所から相手方に電話や書面などで、支払うように勧告をします。

しかし、履行勧告に従わなくても、相手に支払いを強制することはできません。

履行命令の効果

裁判所が一定の期限を定めて支払うように命じます。

それでも、相手方が履行命令に従わない場合、10万円以下の過料を支払わなければなりません。

履行勧告・履行命令を行う方法

履行勧告・履行命令は、養育費についての調停や審判を行った家庭裁判所に申し立てをしますが、申し立て方法は裁判所ごとに異なります。

くわしくは調停・審判手続を行った家庭裁判所に確認してください。

履行勧告・履行命令の費用

履行勧告・履行命令を行うのに費用はかかりません。手続きも簡単です。

強制執行をすれば財産を差し押さえることができる!

りこん先生
りこん先生
相手が養育費を支払わない場合に、強制執行を行えば、相手の財産を差し押さえて売却してお金に交換するなどして、養育費を回収することができます。ただ、個人で強制執行を行うのは難しいから弁護士に依頼したほうがいいね。弁護士に依頼する前に強制執行について簡単に押さえておこう。 

養育費の不払いに対して強制執行をするための3つの手続き

①債務名義(債務名義)の取得

②相手方の財産の把握

③強制執行の申立て

債務名義とは

「債務名義」というのは、簡単に言うと裁判所などの公的機関が、権利の存在を認めた文書のことを指します。

たとえば、母親が「養育費は毎月1000万円です!」と勝手に主張して、父親の財産を差し押さえて支払わせることができるようになってしまっては大変です。そのため、本当にその額の養育費を払うことに決まっているのかを、証明するために「債務名義」が必要なのです。

養育費の債務名義を取得する方法

調停・裁判・審判で養育費が決められた場合

調停で養育費を決めた場合は調停調書、裁判で養育費を決めた場合は判決書、審判で養育費が決められた場合は審判所が債務名義です。つまり、調停・裁判・審判で養育費が決められた場合は、債務名義を取得するための特別な手続きは必要ありません。

夫婦の話し合いだけで養育費を決めた場合

話し合いで養育費を決めただけでは、債務名義はありません。

話し合いで決めた内容を執行認諾文言付公正証書という形にした場合、それが債務名義になります。

相手の財産の把握

差押えて強制執行できる財産

・不動産…土地建物など
・動産…現金や高価な貴金属美術品など
・債権…預貯金や給料など

りこん先生
りこん先生
そのため、相手方に財産がない場合や、財産があってもその財産を見つけられないような場合は、強制執行をすることができないよ。だから、相手の財産をちゃんと調べておこう。 
裁判所に相手を呼び出して、自分の財産について説明させる「財産開示手続」という方法もあります。

この裁判所の呼び出しに応じない場合や、裁判所でうそを述べた場合は、6ヶ月以下の懲役または、50万円以下の罰金が科されます。

強制執行の実施

裁判所に強制執行の申立をして、強制執行を行いますが、強制執行をする財産の種類によって内容が異なります。

不動産に対する強制執行

【対象】
土地や建物といった不動産

【手続き】
相手の所有する不動産を競売により売却して、その売却代金で養育費を支払ってもらいます。

【費用】
不動産を競売するためには、不動産の専門家にその不動産の価値などを調査してもらう必要があるため、その費用はまず申立人側で支払わなければなりません。最低でも60万円程度かかり、非常に高額です。

動産に対する強制執行

【対象】
現金や高価な美術品や貴金属など

【手続き】
動産を差押えて売却し、その売却代金で養育費を支払ってもらいます。

債権に対する強制執行

【対象】
預貯金や給料債権など
(債権とは、相手方に請求することができる権利をいいます。銀行の預貯金は、銀行に預貯金を支払ってもらう債権(請求する権利)です。また、まだ支払われていない給料は、会社に給料を支払ってもらう債権(請求する権利)です。)

【手続き】
債権に対する強制執行は、相手方の銀行の預貯金債権や勤務先への給与債権を差し押さえて自分に支払ってもらいます。

【給料の差押のメリット】

債権の強制執行をする場合、通常は支払日が過ぎているものしか差し押さえることができません。

しかし、給料債権は、将来支払われる予定のものについてもあらかじめ差し押さえておくことができます。

たとえば、10万円の養育費を相手が支払ってくれない場合、一度給与を差押えてしまえば、それ以降、何もしなくても、会社が、毎月10万円を自動的に送金してくれることになります。

ただし、給料の全額を差し押さえると相手方が生活できなくなってしまうので、給与の半額までしか差し押さえることはできません。

また、相手方が退職してしまった場合は、それ以降の給与の差押はできません。

養育費の保証会社を利用する

養育費の保証サービスを行っている会社がいくつかあるので、保証料の支払いは必要ですが、そのような会社を利用するのも1つの方法です。

保証サービスを利用した場合、未払いが生じたときは、保証会社が督促をしてくれるので、自分で相手方に督促をする必要がなくなります。

また、支払がない場合は、保証会社が養育費の立て替え払いをしてくれます。

・離婚手続き中に保証会社と契約をするor離婚手続き後に養育費が支払われない場合に保証会社と契約をする
・元夫婦と保証会社が契約をするor養育費をもらう側だけ保証会社と契約をする
など、さまざまなパターンで契約することが可能です。

養育費の確保の支援をしている地方自治体

まだまだ少ないですが、養育費の保証会社を利用する場合に、その保証料を支払ってくれるなど市町村で養育費の確保の支援の取り組みをところもあります。

地方自治体によって実施しているか、どのような内容かが異なるので、離婚の際には、自治体に問い合わせをしてみると良いと思います。

*この記事は投稿時の法律や資料に基づいて作成されています。